三度の飯よりケンカが好きだった。
お天道様にツバ吐きかけて、肩で風きり闊歩していた。
癪に障れば殴りつけ、気に入らない事にケリをくらわせてきた。
ぶっちゃけた話、
人間関係における最高のスキンシップはSEXではなく、ケンカだと信じてた。
オレは腐った社会のちょっとした革命家だと自負していたが、
ゲバラのように崇め奉られる事など一切なく、周囲はオレをゴミと罵った。
何かがオレには欠けていた。
そしてオレは全てを失っていった。
美学のない暴力は、いや、美学のない全ての行為は全部クソだ。
何もかも、「華」がなくてはクソなんだ。
「華」・・・。ある人は「品」という。ある人は「粋」という。
生きとせ生きる万物は、「生」を消費する事ではなく
「華」であろうとする事で、個別の魂としての意義を得る。
善悪など問題ではない。
中途半端な「善」ならば、杓子定規の「善」ならば、
ギラギラと美学輝く「悪」であった方がいい。
咲かせてみせよう悪の華。
それが、オレにできる唯一の生き方なのだから・・・